この本をKindleで購入する際、Amazonのレビューが荒れ放題だった。「参考になる」のトップレビューは「本書はインタビューに関する本ではなく、失敗し続けた人間の本だ」と徹底的に低評価しているものだった。それでもAmazonではベストセラーということで、セール期間だったこともあり購入。
本書が自己啓発本と分類されるかは人それぞれだろうが、僕にとっては人生観を変える本となったので紹介する。Amazonでのトップレビューは「本の趣旨を成功者が語る成功の法則」と勘違いしたのではないだろうか。
サードドア(3つのドア)とは?
人生、ビジネス、成功。 どれもナイトクラブみたいなものだ。つねに3つの入り口が用意されている。
ファーストドア:正面入り口だ。長い行列が弧を描いて続き、入れるかどうか気をもみながら、99%の人がそこに並ぶ。
セカンドドア:VIP専用入り口だ。億万長者、セレブ、名家に生まれた人だけが利用できる。
それから、いつだってそこにあるのに、誰も教えてくれないドアがある。サードドアだ。
サードドア―精神的資産のふやし方 より引用
要はファーストドア(王道)・セカンドドア(裏道)・サードドア(??道)であり、著者アレックス・バナヤンはサードドアの重要性を体験談を踏まえ説いている。というか体験談がほとんどで、それをどう解釈するかが読者に求められている。
経緯はともかく、著名人にインタビューしまくりたいというアレックスの体験を、読者は余すところなく知ることができる。そしてそのインタビューがことごとく失敗し(というかアポすら取れない)、たまに成功しては、数々の経験を経て著者自身が成長していく。
成功者の成功本ではない
巷の自己啓発書や方法論、ビジネス論などは「こうすると成功します」という本が多い。さらに「そんな簡単なもんじゃねぇよ」という読者のために、もっと論点をマクロに絞った成功者の成功本がある。(部下をしからずに働いてもらう系とか)こうした本はあくまで著者が経験した成功談で成功のルールであり、それが万人に適用されるわけではないことは読者も重々承知しなければならない。その当たりを混同して「これを読めば万事解決」とはいかない。
本書はそういう本ではない。最後に成功体験も書かれているし、実際ベストセラーにもなっているので、成功はしている。しかし本書で書かれている大半は失敗や苦悩、裏切りや絶望についてだ。そしてそんな苦悩にも負けず、アレックスは挑戦をやめない。その「挑戦をやめない」という情熱に、僕自身心が打たれた。いつのまにか本を読み進めながら、アレックスのことを応援している自分がいた。そしてこんな風になりたいと強く思った。
立つんだジョー!と言われなくても立ち上がり続ける本
失敗も絶望も、負の体験全てがこの世の終わりじゃない。成功するまで挑戦すれば失敗じゃない。なんてどこかで聞いたことのあるフレーズかもしれないが、それを地で行った人間が、隠すことなく語った体験談が本書である。
僕は今、何に挑戦しているか考えさせられる。CrossFit Level 1 Trainerの資格取得に励み、実際取得したわけだけど、もっといろんな挑戦がしたい。ここじゃ終われないという気持ちがある。
自分に挑戦への意欲やモチベーションが下がった時、この本を読み返したい。